中国はどう出る
2008年に中国は巨額の財政出動を発表し、世界経済を救ったと称賛された。その後日談として、債務膨張に陥ってデレバレッジを進めざるを得なくなったが、当時は中国なしには世界は立ち直れなかった、というのが定説である。借金力は強い。そしていま一番強いのが資源力である。これにプーチンは憑りつかれ、バイデンは計算を間違えた。 ウクライナ・リスクは最悪シナリオに突入、両国は対話を始めたが、着地点が全くない協議であり、とても楽観できる情勢ではない。対話開始を材料にリスク・テイクなど、正常な感覚では有り得ない。仲介役が無ければ、ロシアの暴走は止められない。その力は欧米の金融政策にはない。抜け道は一杯あるからだ。中国はその重要な鍵を握っている。 欧米諸国の後ろでトロトロと付いていく日本は仲介力ゼロだが、中国にはロシアに「ノー」と言える力がある。あの習近平が「強引な侵略はあきませんで」と言えるかどうかは解らないが、少なくともブレーキを掛けるくらいは出来るだろう。欧米首脳の無能さに呆れかえっている筆者には、それくらいしか想像できません。何とかしてよ、プーさん。