住宅ローン

 都内のマンション価格が上昇し、新築も中古もバブル期を超える勢いだ、といった業界の人たちの話が漏れ聞こえてくる。実は筆者もその「都内マンション」の売買をした一人なので、その実態がよく見える。但し、その市況を牽引しているのはメディアに登場するような節税対策の高齢者だけではない。筆者を含め、幅広い層で実需が拡大しているのだ。

テレワークが一役買ったのは間違いないだろう。筆者が売りに出した物件を見に来た人は、全員が実需層であり、年齢は30代から60代までまちまちだった。不動産屋に話を聞くと、ほぼすべてが「全額住宅ローン」タイプであった。実需を住宅ローンが後押ししているのである。節税対策が価格高騰を招いているというのは、ほんの一側面に過ぎない。

筆者が1980年代にマンションを買ったときは頭金30%が必要条件だったが、いまそんな縛りは無い。一定の収入があれば1億円くらいは借りられる時代なのだ。60歳後半になった筆者でさえ80歳までの支払い期間で相当のおカネが借りられることも分かった。低金利の威力は凄まじい。だがその金融効果が不動産や株に限定されているのも、また事実なのであろう。

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