やっぱり円安か

 今年に入って何回か、地方の中小企業経営者向けのゼミで世界経済のアップデートと日本経済への影響度についてお話させてもらう機会があった。面白いのでは質疑応答で、先日のゼミでは、為替レートに関する質問が集中した。円安の継続性は信じてよいか、なぜ円高にならなくなったのか、もう円に未来はないのか、云々。

 筆者は「円高エネルギーの消滅」を日米実質金利差との相関の薄れから帰納してみたのだが、意外に反応があったのである。その相関の希薄化の背景にあるのは、やはり日本の潜在成長率のゼロ化、生産性向上への取り組みの乏しさ、産業資本主義の成功体験の呪縛、といったところだろう。ドル円は来年130円かなア、と思ったりもする。

 まあ地政学や日銀の「変心」のように円高になる要素もあるので、絶対円安だと決め打ちするつもりはないが、海外勢が円を買いたくなる気持ちは想像できない、というのが正直なところだ。貿易収支も赤字が定着してきた。エネルギーだけでなく医薬品も海外から買わないといけない国になっちまったんですよ。やっぱり円高にはならんわなあ。

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