1月相場と通年相場

 Bloombergに教えて貰ったのだが、米国のS&P500は1月相場と通年相場の相関が極めて高いらしく、90%近い確率で同じ方向に動くのだという。生データを確認していないので、いい加減なことは言えないが、あるテレビの経済番組で誰かが同じような話をしていたので、多分そうなのだろう。だが件の誰かさんは、1月の相場が悪くても通年では上昇するケースも多い、とかコメントしていた。無茶苦茶な解説である。

テレビで自身の考えを主張するのは当然だが、データを捻じ曲げて解釈して我田引水、というのは無責任であり、一種の公害である。私自身はデータとともにアネクドータルな事情も重視しているが、データの取捨選択はするにしてもその解釈を都合の良いようにひん曲げるのはご法度であろう。どこかの役所が得意なデータの書き換えと同じ犯罪である。データは神聖なのだ。

因みにデータを駆使して書いたのが筆者のデビュー作「相場を科学する(ブルーバックス)」であった。多変量解析を幾つか使って相場予測するという若気の至りであったが、自分なりにデータに敬意を払った著作だと自負している。出版が1992年だから、あれからもう30年も経つのですねえ。もう今読んでも書いてあることが解るかどうか、自信はないなあ。



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