米国の長期金利

 ある講演会でのこと、米国の長期金利が2%台に乗ったら株は暴落しますか、との質問があった。株価と長期金利水準との相関については様々な研究があり、一言では答えられないが、筆者としては名目金利より実質金利の方が重要な指標ではないですかねえ、とやや曖昧にこたえざるを得なかった。ただ、米国の異様なマイナス実質金利がゼロに向かって動き出せば、当然株はリプライシング出ざるを得まい。

ただ、名目金利と無関係とも言い難い。世間では2%台必至との見方が主流だが、実体経済が強くてインフレにピーク感が見えないなら。3%くらいは想定しておくべきだと思っている。その過程では、はやり株価には強烈な逆風になるだろう。米国長期金利の読みは、40年この仕事をやっていても難しいが、方向感さえ間違えなければ生きていけるのがディーラーの世界だ。

ある人が米国での株価暴落と長期金利の関係をサマリーしていたので、受け売りで紹介しておこう。1987年のブラックマンデー、2000年のドットコムバブル崩壊、2008年のリーマンショックの三回における長期金利上昇平均は約200BPでした、とさ。今回、その最低水準は0.3%だったので、2.3%くらいが肝になるかも。飽くまで過去からの推論だが、参考にはしといた方が良いかもね。

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