2%のインフレ率

 金融にはマジックナンバーというのがある。さしたる根拠は無いのに、それが黄金律のように幅を利かせるタイプの数字である。現役時代、銀行に8%という自己資本比率がいきなり導入されて戸惑ったことがある。上司にこの数値の根拠はなんですか、と聞いても答えは得られなかった。そりゃそうだろう、日本勢を抑え込むために、欧米の連中が勝手に決めたんだから。

まあこの手の数字は至る所に転がっているので、皆さんも探してみて下さいな。発見しても何の意味もないですけどね。でも経済や金融の根幹を揺るがすものであれば、無視は出来ません。そう、中銀の「物価目標」。2%というマジックナンバーは、34年ほど前にインフレ抑制の為にNZ中銀が1-3%と適当に決めた数字の中間値であることは周知の通りである。

当時のNZのインフレ率は9%くらいでした。それを引き下げる為の目標だったので、現在のインタゲとは全く異なることもみんな知っている。でも新しい物価引き上げ目標が達成できないまま何年も経った後、昨年からその領域を超えてどんどんインフレになっている。中銀の物価目標ってなんだよ、と言いたくもなるわな。それがマジックナンバーの正体である。全く理論的ではない。

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