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 パウエル議長、利下げしたいんですね。でもこんな状況で利下げしたら、たぶんインフレ再燃ですね。いや、政治的圧力ではない、とムキになって利下げを先送りしたら、多分景気は急速に失速しますね。どっちに転んでもソフトランディングは夢物語でしょう。市場はなんでそんな簡単なことに気付かないのか不思議でしょうがない。
 NHKの朝ドラの仕事をしてきた。4月から始まる「虎に翼」。もちろん出演ではなく時代考証。3年前の「エール」に続いて2回目、NHKドラマとしては10年前の「チェース」から3回目になるなあ。国谷さんが居なくなったのでもうクローズアップ現代には出ないけど、ドラマはドラマで面白い。
 世間は株の話で持ち切り。そういえば1980年代後半の日本も浮かれていた。今日の高値は明日の安値、とディーリングルームの中で後輩たちが株を買いまくっていた。当時と同じとは思わないが、得てしてこういう時は大切なものを見失いがちだ。ただ、逆に歳をとると余計なものまで見えて来るので始末に悪い。夢の中にまで、バブルの亡霊が彷徨う姿が出てくる。たとえこの相場がバブルでなくても、高騰の後に審判の日が来るのは避けられない。老兵は半分売って、寝て待つ。
 あるセミナー企業から「次世代エコノミスト養成講座」の講師打診があった。ワタシはエコノミストではないし教えるのも下手なので丁重にお断りしましたが、エコノミストって今後も需要があるのかな、とふと思った次第。これもAIが得意な分野でしょう、たぶん。ワタシがここまで生き延びられたの過酷で難儀なディーラー時代を潜り抜けてきたから。その感覚があるから相場観が持てる。どんな分野でも、教科書の知識だけでは仕事は持ちませんわな。
 金利が想定よりも高止まりすれば、そろそろ金利が下がると期待して我慢していたシステムが耐えられなくなってボロが出る、というのが過去からの類推で想定される破綻リスクでしょう。欧米のいろんな所にそういうひび割れがあるのはみんな薄々わかっている筈なのに、株高につられて見えなくなっているのかもねえ。
 日銀は株をどうするのかな、と前々から思っていた。数年前にあるメディアの取材を受け、所得が一定水準未満の家計に無償譲渡する案を話したことがあった。その後、似たようなことをいう人も増えたが、日銀OBの人に聞いたらそれはあり得ないと言っていた。むしろ配当が凄いので、評価益など考えている余裕もないらしい。結局は国庫に入って財政赤字の穴埋めになるか、今後の準備金付利の為の財源にするか、という類の話であろう。あほ臭くて考える気にもならんなあ。
 昭和30年生まれの私には、半導体といえばダイオードであった。鉱石検波器のラジオの時代が終わってダイオードを使い始め、銅線アンテナを水道管に括りつけてイヤフォンでNHKラジオを聞いていたことを思い出す。それから真空管で三球ラジオを作った。そしてあっという間にトランジスタの時代が来た。ニッパーではんだごての熱を逃がしながら回路を作った。懐かしや。IC回路が出来て電子工作がつまらなくなった。私の「電子時代」はそこで終わってしまったのである。まさか経済学部に行って銀行員になるとは思っても見なかった。