馬鹿は伝染する
外資系勤務時代、いろいろと気を病むことが増えた。「収益がすべて」に近い環境の中でとても正常ではない、と思うことも何度もあった。それはニューヨークからの声やロンドン、香港からの圧力にも感じられたし、東京の中でも異様な事態に直面することがしばしばあった。慣れてしまえば楽なことなのだが、流石にそれには抵抗した。
馬鹿は伝染し易いと感じたのもその当時であった。外資系企業が馬鹿なのではなく、収益がすべてという哲学が馬鹿を生むのである。職員や顧客より株主が気になる、と言い放った幹部もいた。とてもではないが、同調する気にはなれなかった。リーマン・ショックの前に現役を辞めてラッキーだったなア、とつくづく思った。でもその解放感にひたった挙句、緊張感を失った大病を患うことにもなった。変な半生であった。
いま世界中で馬鹿が感染拡大を起こしている。ロシアだけではない。私の眼には、ウクライナも米国も英国も独仏も中国もインドも、みんな日本並みの馬鹿に見える。馬鹿同士の仲介さえ出来ないのは馬鹿な証拠である。これまで狂っているように見えた、仲介を始めたトルコやイスラエルがまともに思えてくる。世界は狂人の集まりになった。とても、リスク・テイクどころではない。
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