SPACバブルの終焉

 昨年の今頃、ある編集者から連絡があり、特別買収目的会社ってどんな印象ですか、と聞かれたので、阿保らしい米国流のバブルだと答えたら、それを書いてくれと頼まれた。SPACの仕組みやそのブームの背景などを綴ったら、結構な反応があった。賛成が8割くらいだったが、中には日本でも導入すべきだという意見もあった。

 単なる空箱で大騒ぎするのは米国だけで十分だと思っていたら、欧州が真似をし、東証まで導入検討と言い出して驚いた。ビジネスの活況と言えば聞こえは良いけれど、株高の風に乗った単なるバブルだとの確信はあった。その後流石にSECが目を付け、M&Aの失敗例も目につき始め、株価低迷というケースも増えた。買収出来ないまま宙ぶらりんのSPACも増えている。

 昨年末からどうやら上場計画中断、取り消しという例が増えているらしい。株高が止まって、やっと市場も正気を取り戻したかのかもしれない。買収の好きなとある日本企業も随分SPACに入れ込んでいたが、こんな空虚なゲームが流行るのも現代金融の愚かさの象徴であろう、と3回目ブースター接種を待つ高齢者は考える。


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