生き延びるMMT派

 地方で講演すると、本当に地元経済がコロナ禍で疲弊している実態が良く解る。政府の補助金が無ければ事業継続は不可能だった、という企業はザラにある。まあ日本だけではないが、危機対応としては割と上手くいったように思われる。ゼロゼロ融資もいろいろ意見はあるが、必要不可欠であった。問題は、返済を要請されるこれからだ。

地方の中小企業経営者には、補助金もゼロゼロ融資も永遠に続けて欲しい、といったニュアンスで発言する人も居る。すべて資本性の劣後ローンにして、あわよくば返済しないで済む資金にしてほしい、という願望もちらちら見える。事業が厳しいのは理解できるが、金融や財政の出来ることにも限界がある。特に財政については日本には余力が無い。

というと、必ず出てくるのがMMT的反論である。財政拡大にブレーキを掛ける必要はない、と主張する経営者は意外に多い。増税が必要ならインフレになればやればいい、という。そんな都合の良い政治の仕組みはありません。現代社会には財政赤字拡張が「ビルトイン」されているのだ。政府のプライマリー・バランス黒字論なんで、MMTと同じくらい怪しいまやかしなのですよねえ。


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