インフレを知らない投資家たち

 昔、北山修氏が作詞して話題になった「戦争を知らない子供たち」という歌があった。ジローズが歌ってヒットした一方で、あまりに戦争認識が薄すぎるとの批判も起きた。だが当時の若いフォーク世代は、筆者を含めて、無邪気にその歌を歌い続けていた記憶がある。今なら、批判の意味も分かる。反戦フォークの賞味期限も短かった。歌で社会は救えない。

そしていま、インフレを知らない投資家たちが市場を闊歩している。特に米国では、殆どの参加者が1970年代のインフレやスタグフレーションを知らない。多分、企業の財務担当者やその責任者もそうだろう。株を買いまくり、金を借りまくり、それが成長だと錯覚している。だが戦争が無くならないように、インフレも蘇生して再び市場を駆け巡るだろう。テーラー教授は今なら適正FF金利は少なくとも3%だ、と主張していた。だが、インフレを知らない投資家の耳に、そんな警告は届きそうにない。

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