地方金融再考
あるご縁で、生まれ故郷の地元銀行の社外取締役という貴重な仕事をさせて頂いている。そこには40年前の銀行勤務でお世話になった大先輩もおられるので、お世辞抜きで大変勉強なります。私は田舎出身ながら田舎を放り出し、銀行出身ながら銀行を放り出して流浪の旅に出てしまったので、地域金融のことは殆どこの先輩に教えて貰っている。先般、ある大学で地銀経営というテーマで質疑応答に狩り出されたが、その回答はほぼ受け売りでありました。
とはいえ、4年近くもやっているとだんだん地域金融の事も解ってくる。苦しいだけでなく期待できるところが結構あることに気付く。都会育ちの機関投資家や格付け会社の連中には解らんだろうなア、と最近つくづく思う。「地方」というだけで拒絶反応を起こす人が多いのは、マス・メディアの責任でもある。地方を語るなら、少なくとも5年くらいは地方に住んで働いててみろよ、とでも言いたくなる。
田舎の実家は造り酒屋であるが、その大吟醸の酒粕で作った地ビールが何ともうまい。私は淡白で味も素っ気も無い日本のビールが嫌いだが、これは好きな味だ。いい風味なのですよ。こういう味は田舎でしか出せんだろうなア、と思いながら今日もネットで6本注文した。コロナ禍の巣篭りには不可欠な「田舎味」である。金融にも田舎味がある事を機関投資家はもっと勉強して欲しい。
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