もう一つの「まん延」
まん延防止等重点措置が34都道府県に適用される。もう日本全国に出しても良いくらいだが、この制度の効果もあまりなさそうだ。政府も役人も医者も右往左往して、何が何だかわからない状況になってきた。英国のようにコロナとの共生でもなく、中国のようにゼロコロナでもない、中途半端な対応の中、もう自然のピークアウトを待つしかないのだろう。あと数週間の辛抱で済めば結果オーライであろろうが、日本の「失敗学」は研究のし甲斐がありそうだ。
さて「まん延」といえば、最近の市場の話題である「リスク・オフ」もまん延と言って良さそうだ。これまた予想通りであり、取り立てて騒ぐ話でもないが、金利上昇に加えて地政学リスクが台頭してきたことで「まん延」を増幅している。まあ金利上昇リスクも気に賭けないでリスク資産を買い漁っていた人々は、マスクなしにコロナウィルスの舞う空間に突撃していったのと同じである。今年に入って相場で右往左往するのがリスク管理のアマチュアであることも、コロナ禍と似ている。
まあ相場が何処で落ち着くのか、と議論するのも時期尚早であろう。米国には利上げよりも厳しいFRBのバランスシート縮小という驚異の「変異種」が待ち構えているからだ。これは既存のワクチンやマスクでは太刀打ちできないかもしれない。その意味では、まだウィルスの方が共生の可能性を保ってくれているだけ優しいのかもしれない、と思ったりする。
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