クラリダ疑惑
ちょいと前の話だが、福井元日銀総裁が村上ファンドに出資して運用益を得ていたことが問題視された。進退問題にまでは発展しなかったが、倫理上の問題は残った。中銀関係者が在職中に金融資産に手を出すのはご法度であろう。
だがFRBのケースはもっと醜い。昨年、ボストンとダラスの量連銀総裁が自己取引で事実上の引責辞任となったが、クラリダ副議長にも疑惑が浮上、2020年2月という微妙な時期に数百万ドルの債券・株の入れ替え取引を行っていたことが判明した。FRBは「事前承認済」として不問に付したが、今年に入ってまた新たな取引が発覚、同副議長は「不注意なエラー」だと釈明し、追及される前に辞表を出してしまった。こういうの、許されますかねえ。
同年2月といえば、コロナ発現で株価急落の状況にあった時期である。同氏は数百万ドルの株ファンドを売ったその3日後に同額を買い戻しているのである。その翌日にパウエル議長は、経済支援の為に政策発動すると発言し、数日後には利下げを発表したのだ。さらに金融支援策は拡大され、株価は大底を打つ。クラリダ副議長は完全な利害関係者である。その過程で、株で大儲けしたことは間違いない。ばれたので、グッドバイ。哀しいかな、これがFRBなのである。
コメント
コメントを投稿