幸田真音さんの「ほんのきもち」
作家の幸田真音さんとは古い付き合いになる。彼女がバンカース・トラストの外債セールスだった1980年代、邦銀の運用担当者だった私は「澤さん」の顧客のヒトリであった。その後、氏は金融界を去り、私はそのバンカースに移籍する。そして丁度その頃小説「日本国債」で華々しいデビューを飾った。モノ書きを始めていた私との付き合いも再開された。
何度かメディアのインタビューでも一緒になったり、彼女の作品の文庫本の解説を書いたり、私のニューズレターの顧客になられたりと、サラリーマンを辞めてからの付き合いももう20年になる。そんな中で年初に幸田さんから、著名人が送りたい本を紹介する「ほんのきち」という冊子に拙書を紹介しておきました、とメールが来た。嬉しい、の一言である。
彼女が選んでくれたのは、ちくま新書の「金融史がわかれば世界がわかる」の新版だった。オリジナルは2005年、新版は2017年という息の長いロングセラーである。独立して数年経ったころに書いた本であり、愛着もある。そんな本を幸田さんが選んでくれたことに、あらためて感謝したい気持ちで一杯だ。
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