財政破綻論 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 1月 02, 2022 今月号の文芸春秋に小林研一郎氏と中野剛志氏の財政破綻論を巡る対談が掲載されている。健全財政派と積極財政派の虚しい論争ではあるが、中野氏の論理的脆弱性を確認するには役立つかもしれない。要するに日銀がサポートする限り問題ないという論説に過ぎない。こんな議論が未だに棲息している事にあらためた溜息が出る。本石町の罪は重い。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
ブラックスワン 3月 06, 2022 今回のロシアによるウクライナ侵攻はブラックスワンだと言われているようだ。誰も予想し得なかったからだろう。だが、ロシアとウクライナとの揉め事は随分前から指摘されていた。ウクライナが欧州向けガスを横取りしていた事もある。拙書の地政学リスクでも、この問題は指摘している。 ただ、戦争にまで至る確率は高くない、と皆思っていた。つまり、影響はデカいが確率は低いというリスクマップ上の位置付けであった。これをブラックスワンと呼ぶのは正しくないようにも思う。重要なのはやはりリスクマップのアップデートだろう。 以前ある講演でリスクマップを使った分析を行ったが今ひとつウケが悪く、それ以来やめてしまった。今回の一件を見て、やっぱり続けておくべきだったとつくづく思う。アホの知恵は後から出てくる、の典型。まだ修行が足らんなア。 続きを読む
2%のインフレ率 2月 19, 2022 金融にはマジックナンバーというのがある。さしたる根拠は無いのに、それが黄金律のように幅を利かせるタイプの数字である。現役時代、銀行に8%という自己資本比率がいきなり導入されて戸惑ったことがある。上司にこの数値の根拠はなんですか、と聞いても答えは得られなかった。そりゃそうだろう、日本勢を抑え込むために、欧米の連中が勝手に決めたんだから。 まあこの手の数字は至る所に転がっているので、皆さんも探してみて下さいな。発見しても何の意味もないですけどね。でも経済や金融の根幹を揺るがすものであれば、無視は出来ません。そう、中銀の「物価目標」。2%というマジックナンバーは、34年ほど前にインフレ抑制の為にNZ中銀が1-3%と適当に決めた数字の中間値であることは周知の通りである。 当時のNZのインフレ率は9%くらいでした。それを引き下げる為の目標だったので、現在のインタゲとは全く異なることもみんな知っている。でも新しい物価引き上げ目標が達成できないまま何年も経った後、昨年からその領域を超えてどんどんインフレになっている。中銀の物価目標ってなんだよ、と言いたくもなるわな。それがマジックナンバーの正体である。全く理論的ではない。 続きを読む
ロシアとLTCM 1月 31, 2022 ロシアを巡る報道が増え続けている。ウクライナ侵攻がどれほどの確率で起こるのか、軍事専門家でない筆者には解らない。だがロシアと言えばどうしても1998年のロシア危機とLTCM危機が思い浮かぶ。ノーベル賞ファンドなどと称賛されていたLTCMがロシア国債で引っ掛かり、ウォール街の救済を受けたあの一件である。当時筆者は米銀にいたが、東京の幹部らはLTCMとLTCBという二つの「LTC危機」で盛り上がっていた。 ロシアへの経済制裁と簡単にメディアは報じるが、輸出シェアでガスは世界最大、原油は世界二番目という資源大国にどれほど有効な制裁があるだろうか。ついでに言えば、ロシアの小麦輸出シェアも20%近い。ウクライナと合算すれば生産量は世界のほぼ30%である。アルミの輸出国としても有名だし、農業に必要な尿素やカリの大生産国でもある。このインフレ時代に、ロシアに制裁すれば世界経済は混乱するばかりだろう。 とはいえ、ロシアを野放しには出来ない。NATO拡大策の見直しは不可避だと思うが、東欧諸国の不安を考えれば妥協も出来ない、というのが米国の袋小路状況である。まあ円滑な解決が早々に実現するとも思えず、市場はロシア危機の再来などと囃し立てるのかもしれない。そういえばロシア危機のあと、LTCMのメンバーだったショールズ教授とテレビ対談する機会があった。ロシアの話を聞こうと思ったが、その話は事前チェックでダメ出しされたのを思い出した。ノーベル賞学者でも、触れてほしくない話題があるのですねえ。 続きを読む
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